CC福岡突発ペーパー

CC福岡突発ペーパー

おたく系評論の原稿をここしばらく書いて無くてあれだなと思いつつも、筆がなかなか進まず直前(当日の早朝)になってしまったので、私島人が勢いだけで今期のアニメを軽く評します。

サーバント×サービス

このアニメは個人的にはNo1かもしれない。ノリがWORKINGに近いと言えるかもしれないが、この作品では、結構真面目に働いている…w いや、そこは重大な論点では無く。出てくる各キャラに「重い」設定が軽く書かれている。たとえば、ルーシーの寿限無問題。人名が寿限無までいっちゃうと「ギャグ」の領域に入るのだけど、底をフィクション的に誇張された部分と考えれば、ルーシーの本名はいわゆる「DQNネーム」「きらきらネーム」と言われるものとも捉えられるだろう。そこで名付けの恨みを見せつつ、周囲も軽く受け流すというスタンスは形式美的ではあるものの、本人の名前を受け止めるエピソードが入るものと信じている。
 また、いわゆるゆとりで、ナンパ男だけど、人当たりが良いというキャラも。「ナンパ」「ゆとり」の救済が用意されているかもしれない。
 また、あの「妹」は「モンスター」「やっかいなクレーマー」という属性を持ちつつも。ツンデレのシスコンというすごいキャラもいる。課長がウサギなのかはどういう要素を含んでいるかわらんw ソフトにパワハラでもするのか?
 

恋愛ラボ

男がどういう生き物かわからないので、推測のみを固めて男の子の気を引こうとするアニメである。
この作人に出てくる元副会長はコテコテの少女まんが的出会いを夢見て、例えば、パンをくわえてぶつかる作戦を課を考える子である。
それはもうベタすぎて、実際の少女マンガにはほぼ出てこない出会いの方法だろう。
他の作品でも言えることだが、作中の女の子がいかにも、男子の妄想である。そして、その、男子の妄想でおおよそを構成する彼女たちが妄想の塊の男の子像にあれこれ思い悩むのが、2重構造的で面白いのである。

きんいろモザイク
この作品は某知人に「檻の中の小動物を愛でるような作品だ」といわれたが、まさしくその通りで、「なぜスパニッシュがでてこないのか?」という考察はあまり意味をなさない。もっとも多くの作品を集めて、人種の偏りを考察するという意味はあるのだが。
 この作品は、日常系・やや非現実・ギャグ ということか。このあたりのバランスの妙で面白かったり、ツボにはまったりする、ある意味難しいジャンルと言える。

<物語>シリーズ
このシリーズは自分も大好きなんだけど。細切れに評価しづらい所が難しい。ただ、今回見てて思っていたのは、「ひょっとして、新房監督のセンスなら、『アニメーション』せずに1本作れるんじゃないか」ということ。単純に作画枚数がどうこう言う問題では無い。現時点でも極限まで「うごかす」ことをしていないが、1枚絵と声優の演技と画面効果でなりたってしまう気がするのだ。それは昔の「リミテッドアニメ」とは全然違う意味の技法になるだろう。

ヤマト2199
これが地味におもしろい。自分はおっさんおたくではあるけど、ヤマトはあまり見ておらず、懐かしさというのはほとんど感じない。2199が初めて見るヤマトといってもそれほど語弊は無いだろう。
旧日本海軍の象徴的艦船とも言える大和を引っ張り出してくる時点で当時ですら、懐古主義だったであろう。
 2199も戦艦大和復古主義とも言える。が、根強いファンが多い「宇宙戦艦ヤマト」というアニメの復古主義が「宇宙戦艦ヤマト2199」なのだと考える。もちろん、2199も戦艦大和復古主義という面も有るだろう。しかしそれは、初代に比べ薄まっているのではないかと考える。
 戦闘ロボットを出さない宇宙戦争物として貴重かも知れまい。


銀の匙
筆者はまんがから好きで、「まんがに悪影響無ければ良いよ」ぐらいの期待度で見ているけど、それでもやっぱり面白い。この面白さは作者の荒川先生が農業体験者」という所もあるのだけど、「命」に対しどう向き合うかという根本が荒川先生の頭の中で出来上がっているからこそ面白いと思う。『「命」に対してどう向き合うか』ってのは実はハガレンでも隠されたテーマだった気がする。そういう意味では、ハガレン以上のメンタル面での成長を期待している作品である。
 ちなみに筆者は、最終的には銀の匙ハガレンを抜くと思う(「抜く」定義が曖昧だけど)。ハガレンはフィクションに逃げ場はあったが、銀の匙は現実に繋がっていて、逃げ場が極端に少ない。どこを落としどころにするのかも含めて楽しみである。