初代プリキュアの考察

先日福岡行った帰りの船の中で書いたプリキュアの考察。
同人誌に載せる前提だから例によって文体が日記とは違います。

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ふたりはプリキュア(初代)

 筆者は放映当時、ネットでの評判の良さから見たことがあり、また、数年前のスカパーでの放映も追っていた記憶がうっすらとあるが、今回、改めて通してみるとプリキュアスマイルプリキュアで9作目となる長寿作品になったのがおぼろげながら見えてきた感じがする。筆者が見返した順番は、ハトプリ→フレプリ→5→SS→初代とほぼ逆順というのもあり、正直、新鮮味みたいなものはあまり感じなかったが、さすがと言うべきか、“プリキュア”という概念を確立した作品だけはある。
 特筆すべきはなぎさとほのかの関係性である。二人でプリキュアというテーマを描くため、序盤の展開は神ががっている。特に8話を起点とした話がすばらしい。序盤はふたりは「プリキュア」仲間であるというだけで、妙によそよそしく、お互いを名字で呼びあう。1、2話ですぐにしたの名前で呼びあう他シリーズと比べると最初違和感を感じるぐらいだ。その8話というのは自分的に“伝説の”と枕詞を添えたくなる。すれ違い気味の二人が本望ではない仲違いをして、ラストでお互いの想いを手紙に書き記すのである。その手紙の特になぎさの文章が秀逸だ。8話冒頭の授業のシーンで朗読される「はるはあけぼの」になぞった“詩”になっていて、心打たれる。不器用だけどほのかを想う気持ちがストレートに伝わってきて、最後の締めに「靴下はちょっと臭い。なんちゃって」と入れることで、恥ずかしがってちょっと茶化す感じになっていて何ともいえない。これは、もう、ラブレターである。おそらく制作者側は「百合」と思って作ってない可能性が高いが、お互いの絆を確認する物語を丁寧に作った結果、「百合」ともとれる濃密な絆を描いてしまったのである。ここでプリキュア同士は絆が強いという不文律を確立したと思っている。

 筆者はプリキュアという物語は、「非日常」にあこがれを持たせ、「日常」を丁寧に描き、「変身」という要素によってその「非日常」と「日常」を繋いでいると考えている。
 1話だけであるが、初代プリキュアは「その日常がなんであるか」を描いた。28話で、なぎさの祖母が、太平洋戦争末期の焼け野原になった街を丘から眺めるシーンである。プリキュア達が守っている「日常」というのは先達達が焼け野原から復興した姿であると明言したのだ。また、その上で「希望だけは忘れちゃいけない」「希望を失わなければ明日はきっといい日になる」と希望を持ち続ける事の意義も見せる。プリキュアにおける「希望」とは多々として根拠の薄いものであることが多いが、初代プリキュアでは具体的に示したのである。闇の勢力に「日常」が浸食されるというのは抽象すぎてぼやかしている感じもあるのだが、その浸食された状況が焼け野原であると具体的に提示したのである。「非日常」の代償として「焼け野原」が提示されたともとれる。このたった1話のエピソードで初代プリキュアの「シリアス面」が大きく担保されている。

 筆者はプリキュアは二面性を持った物語と思っている。この場合の二面性というのは一見矛盾している面を双方内包していて、二律背反的ではない。たとえば、多くのプリキュアを手がけた鷲尾プロデューサーはインタビューで「女の子だって暴れたい」と答えている。これは「女の子(という固定概念)」と「暴れたい」の二面性だろう。また「日常」と「非日常」が同時進行する話の基本フォーマットも二面性といえるだろう。
 ここまでの二面性は筆者も見返す前に予測がついた。しかし、初代プリキュアでは、さらに根本的な二面性を内包していた。42話のエピソードである。相手そのものより、「相手の気持ちを思う自分の気持ちを一番大切にしたい」とした点である。これはタイトルでもある「ふたりはプリキュア」との二面性である。「二人でプリキュア」である以前に「自分自身の気持ちが大切」としたのである。二人でワンセットではなく、「独立した人格」と明言したのである。これは個人の尊重がある程度浸透した社会での作品とも捉えることができる。
 性格や行動が全く違う二人を「ふたりはプリキュア」とするために絆の物語をやる一方で、一個人としての存在の確立が見られる。

 繰り返しになるが、初代ふたりはプリキュアは長く続くシリーズの礎にふさわしい作品になった。筆者は実の所、「女の子だって暴れたい」というのに違和感を感じていて、実際は「女の子だってカッコいいのが好き」と言い換えた方がしっくりとくるのだが、初代を見返すと、「暴れたい」に力点が置かれた作品だったと感じる。その「暴れたい」という要素は変身後の戦闘シーンはもちろん、変身バンクにも濃縮されていると考えている。初代の変身バンクは歴代プリキュアの中ではあまり重視されているとは言えず、時間も短い。それの転機はおそらくSSであろう。初代の変身バンクでは単純に「戦闘スーツ」への着替えにも見えるが、SS以降では「プリキュアというおしゃれ」に変わっている。これも初代がプリキュアの概念を作り「プリキュアのようなおしゃれ」という概念になったのであろう。この「おしゃれ」になった時点で「女の子だって暴れたい」というのが「女の子だってカッコいいのが好き」に変わっていったと考えられる。

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今日、夜になってOSが起動しないという件で行ってきたのだけど、どう見てもHDD系のトラブル。
chkdskすら走らない。
ただ、HDDかコントローラーかどっちか判断しにくいところ。
明日データのサルベージで再出張。
しかし、vaioのミドルタワーだったのだけど、RAID0と書いてあって目を疑ったw
一般向けPCでRAID0って厨二っぽいよなぁw 最強厨敵意味で。
帰った後思ったのだけど、RAID0のHDDを、SATAをUSBに変換するケーブルで吸い出せるのか…?
ちなみにCDブートのKNOPPIXはHDDマウントしなかった。
RAIDのコントローラーが同じ物を使わないと中身見れないんじゃ…。
コントローラー壊れていないという前提だと、別のHDD繋いでリカバリするしかないな…。

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今日のシェイプボクシングもおやすみ。
体重は-0.4kg。
まあ、昨日の分がちょっと減った感じ?

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今日のラブプラスもさくっと。